新宮 晋は風や水によって動く驚くべき彫刻を制作してきました。世界中で賞賛されている彼のドラマティックなアート作品は自然の力―その美しく、不思議なリズム−を表現しています。

ウインドキャラバンは、新宮が挑戦した世界規模のアートプロジェクトです。―それは一年半にわたって、世界の最も典型的な6ヵ所の自然環境で展開されました。果てしないモンゴルの草原フィンランドの北極圏の凍結した湖、モロッコの風景に溶け込んだ土の村、ニュージランドの緑の無人島などなどが、美しい写真やレポー トで定期的に更新されたこのサイト上で見られます。(さあ、今すぐこのページをお気に入りに入れてください)このサイトを定期的にチェックすることにより、マウスのクリック一つで ほんのわずかの時間でも日常の忙しさを忘れて、このガイドで、彼が作り出す自然とアートの美の世界を楽しみ、地球をかけ巡る風の魅力あるエネルギーにふれることができるのです。


日本

ニュージーランド

フィンランド
観光地でもないこれらの場所は、新宮の直感と念入りな現地調査によって選ばれました。このワクワクする世界的なプロジェクトのために新宮は21基の軽量の風で動く彫刻と、発電のための風車小屋を制作しました。この楽しく刺激的なウインドキャラバンを通して、トナカイと一緒に生活するフィンランドのサーミ族の人々が生活する北極圏の北端を訪ね、モロッコ土着のベルベル族、更に地平線まで続く草原を羊や牛や馬と移動するモンゴルの遊牧民、この世のものとは思えない美しさのブラジルの海岸砂丘を訪ね、そこに暮らす人々と出会うことができるのです。その土地ごとの独特の音楽、作品が戯れる目もクラクラするような地球の大自然、土着の人々、特にそれぞれに異なる魅力を持った笑顔の素晴らしい子供たちとの文化交流の数々が展開されるのです。これは、この旅へ私達と出かけるお誘いです。

モロッコ

モンゴル

ブラジル
世界的な振付家、イリ・キリアンは、ブラジルのこどもたちの砂丘でのパフォー マンスを振付けました。近代美術史を作った一人である美術評論家のピエール・レスタニ、アマゾンの熱帯雨林の伐採に反対し、自らもジャングルの大きな木の上の家に住む彫刻家のフランス・クライスバーグ、日本を代表する建築家、安藤忠雄を交えて、美術評論家の中原佑介が司会をするシンポジウムが展開されました。また、常に新しいデザインで私たちを驚かせてくれるデザイナー三宅一生、ポンピドゥセンターや関西国際空港の建築で知られるレンゾ・ピアノといった人々もこのプロジェ クトにかかわりました。彼らを始め、様々なクリエーターたちが、シンポジウムやワークショップを通してウインドキャラバンに参加しました。ウインドキャラバンの発電風車のアドヴァイザーでもある風力エネルギー研究家の牛山泉は、地球に潜在する風の力を科学的な見地から観測しました。地球の現状をレポートするウインドキャラバンは、次世代に対して、地球での生き方にヒントを与える、強烈なメッセージになることでしょう。

ウインドキャラバンは2000年6月新宮のアトリエのある兵庫県三田市から始まり、2001年12月、ブラジルの熱砂の大砂丘で終了しました。そのレポートは、 「風の旅人」(扶桑社刊)に新宮自身によって詳しく書かれています。


「ウインドキャラバン実行委員会」事務局